産後うつの症状は?

産後うつとはその名の通り、産後に現れるうつ症状のことです。育児へのプレッシャーや不安などがストレスになって発症するもので、うつ病の一種と考えられています。

旦那さんや両親の協力を得られず、1人で育児のすべてを抱え込んでしまっているママほど発症しやすく、家事も育児も完璧にこなしたいという人や、責任感が強い人は特に注意が必要です。

産後うつの原因は?

産後のママの体は妊娠前の状態に戻ろうとするためにホルモンバランスが変化し、心身ともに不安定な状態になっています。ここに育児疲れや孤独感、家事と子育てを両立できないことへの罪悪感などが作用して、産後うつを発症すると考えられています。

産後うつの時期や長さには個人差があります。一般的には産後2~3週間頃から発症する人が多いのですが、まれに産後半年以上過ぎてから症状が出る人もいます。

また、治まるまでに1ヶ月以上かかることが多いですが、長いと産後1年を過ぎても症状が現れます。

産後うつの特徴とは?

「私もしかして産後うつじゃないかしら?」と思ったら、下記のチェックリストをやってみてください。

項目は全部で16個あります。私自身が陥った状態のものですので、すべて当てはまったら、できるだけ早いうちに心療内科などを受診して相談してくださいね。

10個以上でもかなり心がまいっている状態だと思うので、誰かに助けを求めたり、早目に受診したりしてください。

□ イライラして落ち着かない
□ 気分が落ち込んで涙が出てくる
□ 考えがまとまらず、家事の段取りができない
□ 自分の好きなことに興味がわかない
□ 性欲や睡眠欲がなくなる
□ 過食気味・拒食気味になる
□ メイクをする気が起きない
□ 洋服やアクセサリーをほしいと感じない
□ 子供はかわいいのにお世話を苦痛に感じる
□ 何事も自分が悪いと考えてしまう
□ 自分ばかり大変だとパートナーに怒りを感じる
□ 先のことを考えて不安になる
□ 他人との交流を面倒に感じる
□ 頭痛や吐き気がある
□ 下痢や便秘になる
□ 頻繁に胃が痛くなる

実体験に基づく「産後うつ」を乗り越えた経験談

私自身、産後うつの期間はとにかく苦しみ抜いた日々でした。原因は、子どもが生後7ヶ月の夜に突然はじまった夜泣きによる睡眠不足とそれによる体調不良、ワンオペ育児によるものです。

もし今お悩みになられているママの参考や励みになったらうれしいです!

産後うつの原因1:子どもの夜泣き

夜泣きは、一時間毎に起きては泣いたり騒いだりする日々で、実際におさまったのは子どもが生後2才3ヶ月のときまで続きました。

生後7ヶ月になるまでは、育児本や周りの人から聞いていた新生児のお世話の大変さよりも、楽だと感じていました。夜になって授乳すると別室で一人で寝ていたくらいでしたから。

夜泣きの期間は、自ずと睡眠不足の日々になり、やがて頭痛・体のだるさ・下痢や便秘の繰り返し・胃痛もありました。

自分で起きるのとは違い、毎晩決まって一時間ごとに起こされる、これは本当に苦痛でした。かわいい我が子とはいえ、イライラもして「どうして寝てくれないの!」ってアパートの一室で叫んだこともあります。

この子どもの夜泣き期間は、私の心身を蝕んでいったと思います。そして、一番頼りにしたかったパパ(私の夫)は、まったく当てにできませんでした。

産後うつの原因2:ワンオペ育児

「そんなに大変なのにパパは助けてくれないの?」と、相談した保健婦さんや友達に聞かれたことがあります。あの当時、夫の仕事はかなりの激務で、朝は普通に出社するのに、帰宅は午前様が当たり前でした。

とにかく睡眠不足が続く日々の中、少しでも子どもの世話を代わって欲しかったんですが、疲れきった夫にそのことを言えずにいました。それでも休日ともなれば、ずっと布団の中で熟睡している夫にものすごく腹立ちました。イライラを抑えきれずに物に当たったことも何回もあります。喧嘩もたくさんしました。

夜泣き期間が治まって、やっと少しずつまとまって眠れるようになってきたと思ったら、今度は眠れなくなったのです。「睡眠障害」です。それにともない体調不良はどんどん悪化していきました。一番ひどかったのは「頭痛」です。

やがて子どももお喋りするようになって自我も出てきて、家事もさぼらずやっていました。

育児を一人でこなす日々、アパートに閉じこもりっぱなしではいけないとも思っていたので、児童館や公園などにも頻繁に行きました。でも睡眠不足が続いていて、とにかくだるくてだるくて.......毎日なまりを背負っているかのようでした。

そして極めつけは、仕事が落ち着いてきた夫が突然、一人だけの趣味を持ち出したことです。楽しそうにその趣味の道具を磨いている姿を見て、怒りも呆れるという感情もすべてどこかへ行きました。「子どもの相手しないで趣味に走るんだ」と悲しくなりました。この時くらいから、私の精神状態は正常ではなくなりました。

夜中に薄暗い部屋の中で、突然泣き始めて夫にひどい言葉を浴びせることや、昼間もぼんやりすることが増えました。どのくらい続いていたのか、記憶が定かではないのでわかりませんが、夫が「このままではまずい」と思ったのでしょう。心療内科を調べ、予約をして、私を連れて行くようになりました。

病院では、カウンセリングから始まり、投薬治療を受けました。診断名は「うつ病・睡眠障害」でした。カウンセリングでは、思っていることを話して、という感じでしたが、夫がすぐ隣にいたので1~10全部を言うことにためらいがあって、全部は吐き出せませんでした。

投薬は、うつに効く薬を何種類かと、睡眠導入剤が処方されていました。この心療内科へは約1年通院しました。通院を止めた理由は、私本人が行くのを拒否したからです。なぜ拒否したかというと、何十回通院しても、全然回復の傾向が見えない、病院へ行くたびに気分が悪くなる、という理由でした。

これは現在うつ病とはさよならした私が言えることですが、患者本人の意思で通院を止めてはいけませんし、投薬治療も途中で止めてはいけません。なぜなら、その後もずっと「うつ状態を引きずる」からです。

うつ病患者に、一人で大きな選択肢を決めさせるのはよくありません。正しい判断能力には欠けています。本来ならば通院も、同居している家族が一緒に行くべきだと思います。治ってきたかな? まだ治らないのかな? って思っていても、患者本人に直接言うのは控えてあげてください。

また、家族にうつ病の患者がいると見守っているのはとても大変だと思います。私は今現在、夫に大変感謝をしています。うつ病がひどかった時期をきちんと面倒みてくれましたし、あれからは家族のこと第一で、妻である私を思いやってくれ、ずっと大切にしてくれているからです。

うつ病中にどのような対応をされると良かったか?

家事に協力してもらうことよりも、赤ちゃんのお世話を交代してもらえたことがよかったです。基本的に母乳をあげること以外は、ママじゃなくてもできますよね。(オムツを換えたり、遊び相手、公園などへお散歩に連れて行くなど)

新生児時代の育児参加率が少なかった我が夫ですが、参加できたときはオムツ替えや沐浴などは進んで楽しそうにやっていました。

家事は、一時でも赤ちゃんを誰かに見ててもらえると、自由に動けるようになったので気晴らしだと思えたときは苦痛ではありませんでした。あとは、ママがすぐに食べられるものを調達してもらえたことがよかったです。コンビニなどのお弁当や、夕飯のおかず(お惣菜系)、時にはデリバリーのピザやお寿司もすごく助かりました。

うつ病中に言われて「嫌だったこと」

一番嫌だった言葉は、「ママなんだから…」でした。「ママなんだから」の後に続く言葉は、赤ちゃんのお世話をするのは当然、寝不足になっても今だけだから、頑張って!といったものばかり。

うつ状態に陥っているときに、この言葉たちはナイフのように心に刺さりました。

うつ病中に言われて「嬉しかったこと」

逆に嬉しかったのは、「よく頑張っているね」や「たくさん母乳が出るね」などの褒め言葉です。

日々の育児や家事について、具体的に褒められることは、自分が努力していることを認めてもらえたと感じられるので、うつから快方する最高の処方箋になりました。

産後うつの治療法

産後うつは、一種のうつ病なのできちんとした治療が必要です。精神科や心療内科では、カウンセリングや薬物療法を行います。

症状が軽ければ、カウンセリングで悩みや不安などの話を聞いてもらうだけでも改善されていきます。人によっては抗うつ剤や精神安定剤が処方されるので、医師の指示に従って正しく服用してください。

私は「心療内科」を受診しました。心の病気は目に見えないものなので、先生との相性はかなり重要だと思います。一概には言えませんが、合う先生であれば通院も苦ではなくなるので、完治までの道のりは短くて済むかもしれません。ただ「合う先生」かどうかの判断も難しいところですが...。

産後うつの対策法

対策1. 完璧にやろうとしない

日中などママが一人で赤ちゃんのお世話をしなくてはならないならば、赤ちゃんのお世話が最優先です。他のことは後回し、もしくは誰か手を貸してくれる人に頼んでしまいましょう。

料理をする、掃除機をする、洗濯をする、ごみを捨てるなどの家事は頼れる人(夫や実母・義母・家事代行サービスなど)に頼るのです。

一人で頑張ると、体だけではなく心が疲れてしんどくなります。頑張ることができなくなったとき、「自分はだめな人間だ」と自己否定をしがちになります。

育児中は完璧にこなすことは一旦捨ててしまいましょう。どんどん人に頼っていいんですよ。

 対策2. 睡眠時間を確保する

人は睡眠不足がたたると、体調や心に支障をきたします。私がそうでした。赤ちゃんが寝たら自分も寝る!くらいの気持ちで過ごしてください。 

ただそうは言えども、寝ない赤ちゃんもいるんですよね、うちの子どもみたいに・・・

夫や実母・義母の手が空いていれば、赤ちゃんを預けて睡眠時間を確保するとか、身近な人がだめなら「赤ちゃんの一時預かりサービス」を利用するのも一つの案です。

対策3. 育児本・ネットの情報を鵜呑みにし過ぎない

育児本には、理想的な育児について事細かく書かれています。参考にするだけなら問題はありませんが、鵜呑みにし過ぎると、自分の育児のやり方に自信が持てなくなるので注意が必要です。

ネットで検索することも良いのですが、ひとつのサイトだけの情報を頼りにしないで、いくつかを見た方が良いです。

育児本もネットの情報も、「そういうこともあるんだ~」くらいのスタンスだと気楽ですよ!

私が新生児のお世話期間中に読んでいた本は、ベネッセで出している雑誌「ひよこクラブ」と、漫画で描かれている「子育てハッピーアドバイス」でした。

またネットでよく見ていたのは、「ベネッセウィメンズパーク」でした。こちらのサイトはあらゆるカテゴリ別に分かれていて、おしゃべり広場にも「子どものこと」や「わたしのこと」「家族のこと」など、ジャンルが幅ひろいくて参考になります。チャットルームではなく、掲示板形式です。自分の悩みを書き込むと、たくさんのママからお返事がもらえたり、近所の病院の情報交換なども盛んに行われています。

対策4. 開き直る精神を持つ

赤ちゃんや子どもは、予測不可能なことを起こすものだと思っていた方が、気楽に育児にかかれます。抱っこしていないと泣き止まない、添い寝していないと寝ないなど、日替わりで様々な事態に遭遇します。

ママは赤ちゃんのお世話を頑張っているのですから、それだけで立派です!

家事ができなくてもよいのです。世の中には、汚れた食器を洗って乾燥までしてくれる食洗機や、セットさえすれば部屋をきれいにしてくれる自動掃除機など便利なものがあふれているのですから、優秀な家電はフル活用しちゃいましょう!

育児が大変なときは家事の手抜きをしたってイイのです!

産後うつにならないために...

赤ちゃんが生まれると、親としての責任感が生まれます。子供をしっかりと育てようと思うことは素晴らしいことですが、過度に思い詰めないでくださいね。

赤ちゃんが最初から歩けないように、ママだって最初からきちんとお世話ができるわけではありません。赤ちゃんと一緒に成長していけばいいのですから、おおらかな気持ちで子供と向き合えるといいですね。